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【僧侶派遣(お坊さん手配)のトラブル Vol.1】
僧侶派遣を利用する前に知っておきたい菩提寺との関係について、現役住職が解説。菩提寺と不仲、遠方、住職の高齢・病気、葬儀の日程が合わない場合の対処法や、菩提寺の有無を確認するポイントを紹介します。
【菩提寺の有無編】僧侶派遣(お坊さん手配)で起こりうるトラブルとは?現役住職が教える菩提寺との関係で注意すべきこと
僧侶派遣サービスは、菩提寺がない方や、葬儀・法事でお坊さんを手配したい方にとって、便利な選択肢の一つです。あらかじめ料金を確認しやすく、自分たちの希望に合った形で供養を依頼できることから、利用を検討する方も増えています。
しかし、僧侶派遣を利用する際に、ぜひ確認していただきたいことがあります。それは、ご自身に菩提寺があるかどうか、そして菩提寺がある場合に、住職の了承を得ているかどうかという点です。
現役住職としてお伝えしたいのは、僧侶派遣を利用すること自体が問題なのではない、ということです。菩提寺がない方にとって、僧侶派遣は大切な供養の機会を支えるサービスです。一方で、菩提寺があるにもかかわらず、その存在を十分に確認しないまま別の僧侶に依頼すると、後になってお寺との関係が悪化する可能性があります。
では、どのような場合にトラブルが起こりやすいのでしょうか。実際に考えられる事例と、その対処法を見ていきましょう。
事例
1. 菩提寺との付き合いに不満があり、別の僧侶に葬儀を依頼してしまった
先祖代々のお墓があるお寺を菩提寺としていたものの、住職の対応に不満を感じていた。
「お布施の話ばかりされる」「住職の態度が高圧的で、相談しにくい」など、日頃からお寺との付き合いに悩んでいたため、家族の葬儀では別の僧侶にお願いしたいと考えた。
そこで、インターネットで見つけた僧侶派遣サービスに依頼し、菩提寺には連絡しないまま葬儀を済ませた。
ところが、後になって菩提寺にそのことが伝わり、納骨や今後の法事について話がこじれてしまった。もともと関係が良好ではなかったところに、さらに問題が重なってしまった。
対処法
菩提寺との関係に不満があったとしても、別の僧侶に依頼する前に、まずは菩提寺の住職に相談することが大切です。
現役住職の立場からすると、お寺との付き合いに不満を感じている方がいることは理解できます。お布施について納得できない、住職に相談しづらい、対応に不信感があるなど、事情はそれぞれでしょう。
ただし、菩提寺がある場合、葬儀や法事は単にお経をあげてもらえば終わりというものではありません。先祖代々のお墓や納骨、今後の法要など、その後のお付き合いにも関係してきます。
不満がある場合には、まず具体的に何に困っているのかを整理し、住職に相談してみましょう。それでも解決が難しい場合には、今後の供養やお墓をどうするのかも含めて、慎重に考える必要があります。
料金が安いという理由だけで別の僧侶を手配すると、目先の費用は抑えられても、後々の問題が大きくなる可能性があります。
2. 菩提寺が遠方にあるため、連絡せずに僧侶派遣を利用してしまった
実家のお墓は遠方のお寺にあり、現在の居住地からはかなり離れていた。
葬儀を行うことになったものの、遠方から住職に来てもらうのは大変だと考え、近くで対応してくれる僧侶派遣サービスを利用することにした。
菩提寺に連絡すると手間がかかると思い、事前の相談をしないまま葬儀を済ませたところ、後日、菩提寺から別の僧侶に依頼したことについて指摘を受けてしまった。
対処法
菩提寺が遠方にある場合でも、まずは電話などで事情を説明し、相談することをおすすめします。
遠方であっても、菩提寺の住職が葬儀に来られる場合もあります。また、距離や日程の都合で対応が難しい場合には、別の僧侶に依頼することについて相談できる可能性もあります。
大切なのは、菩提寺が遠いからといって、最初から関係がないものとして扱わないことです。
菩提寺の住職に事情を説明し、了承を得たうえで僧侶派遣を利用する。 この手順を踏むことで、葬儀後の行き違いを防ぎやすくなります。
3. 菩提寺の住職が高齢や病気で、お参りに来てもらえなかった
菩提寺の住職が高齢であったり、病気を患っていたりするため、葬儀や法事に来てもらうことが難しい状況だった。
家族としては、故人の供養をきちんと行いたいと考えていたため、別の僧侶にお願いすることにした。しかし、菩提寺への相談をしないまま手配したため、後になって問題が生じてしまった。
対処法
菩提寺の住職が高齢や病気などの理由でお参りに来られない場合には、まず菩提寺に連絡し、今後の対応について相談しましょう。
住職本人が対応できない場合でも、お寺側で別の僧侶を紹介してくれることや、他の僧侶に依頼することについて相談できる場合があります。
もちろん、病気や体調などの事情によっては、菩提寺だけで対応することが難しいこともあるでしょう。そのような場合には、ご家族の事情も率直に伝え、どのような方法で供養を行うのがよいか話し合うことが大切です。
僧侶派遣を利用することが必要な場合でも、菩提寺に事情を説明し、了承を得てから手配することを心がけましょう。
4. 葬儀が重なって菩提寺の住職に来てもらえず、別の僧侶を手配した
突然の不幸があり、葬儀の日程を決めなければならなくなった。
ところが、菩提寺の住職は別の葬儀などで予定が埋まっており、希望する日時に来てもらうことができなかった。葬儀の日程を変更することも難しかったため、家族は急いで僧侶派遣サービスを探し、別の僧侶に依頼することにした。
葬儀は無事に終わったものの、菩提寺への事前相談がなかったことで、後日、関係がぎくしゃくしてしまった。
対処法
葬儀では、火葬場や葬儀会館の予約、ご親族の都合などがあり、日程を自由に変更できない場合があります。そのため、菩提寺の住職の都合がつかないことも、現実には起こり得ます。
そのようなときは、まず菩提寺に事情を説明し、日程の調整が可能かどうかを確認しましょう。
どうしても日程を変更できず、菩提寺の住職も対応できない場合には、別の僧侶に依頼することについて相談することが大切です。
菩提寺の住職が対応できないという事情があっても、何も伝えずに別の僧侶を手配してよいということにはなりません。葬儀後の供養や納骨についても考え、できる限り事前に了承を得るようにしましょう。
そもそも菩提寺があるかどうか、分からない場合は?
ここまでの事例を読んで、「自分の家にも菩提寺があるのだろうか」と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
特に、親や祖父母の代からお寺との付き合いが続いている場合、現在のご家族がその関係を十分に把握していないことがあります。
菩提寺があるかどうかを確認する際には、次のような点が手がかりになります。
- ① お寺に護持会費や年会費などを定期的に納めているか
- ② 菩提寺の住職が、自宅に定期的にお参りに来ているか
- ➂ 先祖代々のお墓があるお寺はどこか
- ④ 葬儀や法事の際に、いつも依頼しているお寺があるか
護持会費などの支払いや定期的なお参りは、菩提寺との関係を確認する手がかりになります。ただし、これらがないからといって、必ずしも菩提寺がないとは限りません。
また、祖父母の代には菩提寺があったとしても、分家であるなどの事情から、ご自身の家がそのお寺の檀家になっていない場合もあります。
そのため、祖父母の代のお寺があるというだけで、ご自身の家も必ず檀家であると判断することはできません。反対に、会費を納めていないからといって、すぐに檀家ではないと決めつけることも避けたほうがよいでしょう。
分からない場合には、ご両親や親族に確認したり、お寺に直接問い合わせたりして、関係を整理しておくことをおすすめします。
現役住職が考える、菩提寺と檀家の関係
菩提寺と檀家の関係は、単に葬儀や法事の際にお布施を支払うだけの関係ではありません。
仏教の教えを聞き、日々の生活の中で仏さまとのご縁をいただき、先祖の供養を続けていく。そのような長い関わりの中で、お寺と檀家の関係が築かれてきました。
もちろん、すべてのお寺と檀家の関係が良好とは限りません。住職の対応や費用について不満を抱えている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、だからといって、菩提寺との関係を確認しないまま、別の僧侶に供養を依頼してしまうことには注意が必要です。
僧侶派遣サービスを提供する側にも、利用者に菩提寺の有無を確認し、必要に応じて事前相談を促す姿勢が求められます。
利用者を増やすことや、依頼を受けることだけを優先してしまえば、葬儀後に菩提寺との関係が悪化し、結果的に利用者が困ることにもなりかねません。
僧侶派遣は、菩提寺との関係を無視して利用するものではなく、それぞれの事情を確認したうえで、適切に活用することが大切です。
菩提寺がない方にとっては、僧侶派遣が安心して供養を行うための有効な選択肢になります。また、菩提寺がある方でも、やむを得ない事情がある場合には、まず菩提寺に相談し、了承を得たうえで利用を検討することが望ましいでしょう。
僧侶の手配でお困りの方は「紹介寺.net」へ
「菩提寺がないため、葬儀でお経をあげてくれるお坊さんを探している」
「菩提寺が遠方にあり、どのように相談すればよいか分からない」
「葬儀に必要なお布施や僧侶の手配について、事前に確認しておきたい」このようなお悩みをお持ちの方は、僧侶派遣サービスを検討することも一つの方法です。
紹介寺.netでは、葬儀などで僧侶の手配を検討されている方に向けて、サービスをご案内しています。
僧侶を手配する際には、料金だけでなく、ご自身の家とお寺との関係や、葬儀後の供養についても確認しておくことが大切です。
菩提寺がある方は、まず菩提寺に相談し、必要な了承を得てから手配を進めましょう。菩提寺がない方は、費用や依頼内容を事前に確認し、ご自身の希望に合ったサービスを選ぶことが大切です。
大切な方の葬儀を安心して執り行うために。僧侶の手配についてお悩みの方は、紹介寺.netをご検討ください。
皆さまが故人を安心して供養できるよう、僧侶の立場からお手伝いしています。
監修者
古家 (ふるや)
現役住職、住職歴15年住職として15年以上にわたり、日々の仏事や法要、葬儀に携わる。年間およそ25件の葬儀を執行し、これまで多くのご遺族と向き合ってきた。葬儀の現場では、宗派や地域の習慣、葬儀の流れや作法など、一般の方には分かりにくい仏事について、分かりやすく丁寧に伝えることを大切にしている。また、現役住職として実際の葬儀に立ち会ってきた経験をもとに、葬儀に関する疑問や不安、僧侶との付き合い方、お布施や戒名などについて、僧侶の立場から解説。形式だけではなく、故人を送り出すご家族の気持ちに寄り添った葬儀を大切にしている。